歯周病とは? PERIODONTAL DISEASE
歯周病という単語はあっちこっちで聞くけれど、実際なにが歯周病なのか理解していない方は多いのではないでしょうか?
歯周病は歯茎が細菌感染し、歯の周りに炎症が起きている状態を言います。また歯茎だけでなく、歯茎の下にある骨にまで悪影響を与えます。
抜歯の原因
抜歯の原因1位は歯周病なんです。歯周病は、虫歯のように痛みがでないため、気づいた時には抜歯しか選択肢がない、取り返しのつかない状況にまで悪化する怖い病気です。
しかしそのような最悪の状況にまで悪化する前に、歯周病のサインを見つけるこができれば最悪の状況は回避できます。
CHECK こんな症状ありませんか?
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歯ブラシをすると
毎回出血する -
口臭がきついと感じる、
周りから指摘された -
歯が動く気がする
歯周病の進行 PROGRESSION OF PERIODONTAL DISEASE
歯周病はゆっくりと段階を追って進行していきます。早期発見早期治療がとても重要です。
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歯肉炎
プラークや磨き残しによって、歯茎が赤く腫れている状態。歯磨きをすると少し出血しますが、まだ骨には影響ありません。そのため、丁寧な歯磨きを続けていれば、すぐに健康な歯茎に改善します。
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軽度歯周炎
歯肉炎が進行し、さらに歯茎の炎症が広がり、歯周ポケットが3mmから5mm程度になります。歯周病菌が歯を支えている骨まで破壊を始めます。早期に歯科医院での治療を始めれば、健康な歯茎に改善します。
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中等度歯周炎
軽度歯周炎が進行し、骨の破壊が進み、歯がぐらつき始めます。歯周ポケットは、4mm〜7mm程度まで悪化し、歯茎からの出血がひどくなります。手遅れになる前に早めに、歯科医院での専門的な治療が必要です。
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重度歯周炎
中等度歯周炎が進行し、骨の破壊がだいぶ進行し、場合によっては抜歯しなくてはいけないケースもでてきます。歯周ポケットは7mm以上となり歯を支えている骨がほとんどなくなっていることがわかります。
歯周病はお口の中だけの
病気ではありません!
歯周病は、歯だけに悪影響を与えるわけではありません。歯周病菌が増殖すると、血液をめぐり全身にまで行き届いてしまい健康に悪影響を及ぼすのです。
喫煙と歯周病
喫煙は歯周病を悪化させる大きな危険因子の一つです。タバコに含まれる有害物質は粘膜や歯肉から吸収され、血管を収縮させて歯肉の血行不良をひきおこします。歯周組織に十分な酸素がいきわたらなくなると、抵抗力が低下し、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。また、血管収縮による血行不良により炎症が抑えられるため、歯肉の腫れや出血が現れにくく、患者様自身が歯周病に気づかないうちに進行する恐れがあります。
こんな疾患が疑われる方は
特に注意を!
RELATED DISEASES
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糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つで、それぞれが悪影響を及ぼし合っています。歯周病菌が腫れば歯茎から、血液にのって全身をめぐります。すると、血糖値をおさえるホルモン、インスリンの邪魔をしてしまい糖尿病を悪化させるのです。
つまり歯周病の治療を徹底して行い、歯周病菌を減らすことができれば、糖尿病も改善させることができるのです。 -
血管障害
歯周病菌やプラークが血液にのって流れて行ってしまい、結果として血管を詰まらせてしまう障害です。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞が例にあげられます。最悪の場合には、死に至ることがある病気です。
歯周病が原因となるケースでは、事前に歯周病の治療をしていれば防ぐことができるはずです。血管障害が疑われている方は、歯周病の治療をしっかりしておきましょう。 -
妊娠性歯周炎
妊娠中にホルモンのバランスが崩れることによって起こる歯周炎です。妊娠中に歯周病になることで、赤ちゃんの成長を妨げたり、早産のリスクが高まったりします。
赤ちゃんが健康で無事に生まれてくるためにも、妊娠中のプラークコントロールはとても重要なのです。
歯周病治療の流れ PERIODONTAL DISEASE FLOW
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歯周基本検査
歯周病の基本検査では、歯周ポケットの測定、歯の動揺、出血の有無を調べます。場合によっては、レントゲン撮影をして、歯槽骨の位置を確認するケースもあります。
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歯周基本治療
専用の機械を使用して、歯石やプラーク除去を行います。また、毎日のセルフケアを正しく行うために、歯磨き指導も行います。
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再検査
歯石やプラークを除去後、歯周病がどの程度改善したのかを再検査で調査します。
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SRP・歯周外科処置
再検査で、歯周病の改善がまだされていない歯には、麻酔をして、歯茎の下に隠れている歯石を除去していきます。
あまりにも状態がひどい場合には、歯茎を切開し、根っこの方まで確認できるような状態にして徹底的に歯石を除去するケースもあります。 -
再検査
SRP後の歯茎の状態を検査します。
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PMTC
歯石を除去して汚れがなくなったところで、歯の表面をツルツルに仕上げ磨きをします。最仕上げ磨きをすると、歯の表面に汚れがつきにくくなります。
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メインテナンス
歯周治療が終了した後でも、直後の歯の状態をキープするには定期的なメインテナンスが欠かせません。定期的なメインテナンスをきちんとして、歯周病を予防できるようにしましょう。
治療法について
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ブラッシング指導
歯周病を予防するためや、改善させるために正しい歯磨きの方法を指導します。歯周病治療では、毎日行うブラッシングは、とても重要です。
定期的に歯科医院ででメインテナンスをしていても、毎日のブラッシング方法が正しくないと歯周病はゆっくり進行していきます。 -
スケーリング
スケーラーという歯石を除去する専用の機械で歯石やプラークを除去します。歯石を除去することで、歯周病菌を減らし、歯周病を改善させることができます。
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SRP
スケーリングでは除去することができなかった、歯茎の下の深い部分にある歯石を除去します。そのままの状態では痛いので、麻酔をして、しっかりと歯茎の下にある歯石を除去していきます。
歯周外科処置とは
歯の周りの歯周組織に対して行われる外科処置です。一般的にな歯周治療が終わっても、歯周病の改善がされずに、深いポケットや腫れが残っている状態に行われる処置です。
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フラップ手術
基本的な歯周治療後に、深いポケットがあったり、炎症が消えない場合に行われる外科処置です。
炎症が起きていたり、歯周ポケットが深かったりする箇所を部分的に切り開いて、直接目で確認しながら、感染している組織や歯石を徹底的に除去していきます。 -
歯周再生治療
(リグロス・エムドゲイン)歯周病によって崩壊してしまった、歯周組織を「リグロス」や「エムドゲイン」という薬液を利用して再生させる方法です。リグロスには、細胞を増やす成長因子があり、それによって崩壊した歯周組織を再生させることができます。また、エムドゲインも歯周組織の再生を促し、失われた骨の回復が期待できる治療法です。
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歯冠長延長術
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)は、外科処置により歯肉を切除、歯ぐきの位置を下げることで、歯ぐきよりも上に歯のふちを出す処置を指します。二次カリエス(二次むし歯)や歯周病などの改善・予防、ガミースマイルの改善にもつながります。
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遊離歯肉移植術
角化組織と呼ばれる丈夫な歯茎が少ない場合に、主に上顎の口蓋から上皮組織を移植する方法です。移植することで、ブラッシングやメインテナンスがしやすくなったり、インプラントを長持ちさせたりすることができます。
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根尖側移動術
歯周治療で改善しなかった深い歯周ポケットや歯肉の幅が狭くなってしまっている場合に、歯肉の形成をしたり、歯肉を下げたりして歯周ポケットを除去することをいいます。
根尖側移動術によって、本来抜歯対象だった歯が再び噛めるところまで回復させることが可能です。 -
歯槽骨整形術
歯槽骨整形術とは、骨を削り平らな状態に整形し、義歯をはめやすくしたり、不具合をなくす方法です。
歯槽骨とは、歯茎の下にある歯を支えている骨のことをいいます。歯槽骨は、歯を失うと吸収され平らで滑らかな状態となります。 しかし、噛み合わせが強い方は骨が隆起していたり、そうでない方でも鋭利に骨が突起していたりするケースがあるのです。
メインテナンスを受けましょう
歯周病は再発を繰り返しやすい疾患です。歯周病菌は口腔内常在菌で、完全になくしてしまうことはできません。ホームケアで汚れを完璧に落とすことも大変難しいため、プロケアとホームケアをバランスよく活用することが大切です。
メインテナンスを受けることで、歯周病を防ぐだけでなく、虫歯を早期に発見し、必要な処置を受けることもできます。また、歯石や汚れの蓄積は口臭や歯の黄ばみの原因になることもあります。クリーニングを受けることで、それらを解消することができるため、メインテナンスを定期的に受けることで、清潔な印象をキープすることができます。定期的なメインテナンスで、ワンランク上の生活を手に入れませんか?
CHECK
セルフケアで
予防しましょう
- 正しい磨き方で歯磨きをしましょう
- デンタルフロスや、歯間ブラシを併用しましょう
- フッ素入りの歯磨き粉を使用しましょう
- 洗口材で徹底的に口腔内を殺菌しましょう
専門的な知識のある歯科医師でも、歯ブラシのみのセルフメインテナンスでは6割程度しかプラークや汚れを除去しきれていないといわれています。そのため、歯ブラシ以外にも、デンタルフロスや、歯間ブラシを併用して汚れを丁寧に除去していきましょう。
また、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、虫歯を予防し、歯の強化を期待できます。さらに最後に洗口剤を使用して、口腔内にいる虫歯菌や歯周病菌を徹底的に殺菌し、細菌の増殖を抑えることができます。